ハイブリッド矯正治療(ワイヤー+インビザライン...
みなさまこんにちは。さわだ歯科矯正歯科矯正医の沢田正樹です。
今回の患者様は八重歯が気になるとのことです。上顎両側4番目(第一小臼歯)を抜歯して治療を行なった患者様の経過をご紹介いたします。
患者N様
初診時23歳
主訴:上顎前突
口腔内写真
治療方針・診断
右上の八重歯と上顎の真ん中が鼻に対して右側にずれています。右上の4番目の歯だけを抜いてしまうと八重歯は綺麗に治りますが真ん中が合わないため左の4番目の歯も抜いて真ん中を左側に寄せる計画を立てました。
下顎の歯列はガタガタですが歯を抜かずに治療していきます。
専門的なお話ですがインビザラインは歯を抜いたスペースに前歯を後ろに下げる治療はとても苦手です。なので今回は奥歯から犬歯までをワイヤーを用いて途中まで動かした後にインビザライン治療に移行しました。当院ではワイヤーを用いて途中まで治療してその後インビザライン(マウスピース矯正)に移行する治療をハイブリッド矯正と呼んでいます。
ここでワイヤー治療を終了といたしました。犬歯を後ろに引っ張る反作用で上の前歯がすきっ歯になってしまいました。ここからインビザラインに移行して綺麗に配列していきます。
2年10ヶ月で治療を終了といたしました。
左側が初診時で右側が終了時の顔貌写真です
初診時では上顎の真ん中が向かって右側にずれているのに対して終了時には鼻の真ん中にピッタリと合いました。
コラム
歯の遠心移動について
奥歯を後ろに下げることを遠心移動と言います。ワイヤー治療単独では遠心移動を行うことは出来ないですがインビザラインでは単独で行うことが可能です。これを行うことにより奥歯の噛み合わせを整える・スペースを得ることが出来るので抜歯を行わなくても治療出来る患者様は増えたと思います。
今回の患者様のレントゲン写真になりますが上の親知らずが埋まっています。今回の患者様は第一小臼歯(4番目の歯)を抜いて治療をしております。お気づきの方もいらっしゃいますが、親知らずを抜き奥歯の遠心移動を行えばこの患者様は4番目の歯を抜かずに非抜歯で治療を行えたんじゃないの??と言う疑問が上がってくると思います。しかし自分の考えでは奥歯を後ろに下げれる距離はおおよそ2-3mmほど。この患者様は5mmほど遠心移動しないと奥歯の噛み合わせを整えることが出来ませんでした。なので検査・診断の結果自分は第一小臼歯の抜歯を行う治療方針を立てました。インビザラインのシミュレーションでは奥歯をいくらでも後ろに移動できますが実際にそのように歯を動くことはありません。治療を成功に収めるには診断が7割を占めるとも言われていますので、矯正を専門に行われている先生に診てもらうのが一番と思います。
矯正治療を行いたい・気になる方は是非さわだ歯科矯正歯科にいらしてください。