カリエールモーション・ワイヤー矯正治療(上顎前突)
こんにちは。さわだ歯科矯正歯科の矯正医サワダです。
今回は上顎前突の患者様です。前歯が出ているのが主訴です。カリエールモーションを用いることにより治療期間を短く、非抜歯で治療を行なった患者様をご紹介いたします。
患者S様
初診時12歳
主訴:上顎前突
口腔内写真
治療方針・診断
下記の写真をご覧ください。
ClassⅠと記しているのが奥歯の前後的位置関係が正しい状態ですが、今回の患者様はClassⅡと示している状態で上の歯列が前方に位置している状態でした。ちなみに丸ごと一歯分ずれている状態をFullClassⅡといい、この状態だったら必ず抜歯は必要になります。今回は歯を抜かず奥歯を後ろに移動させる治療方針を立てました。
そこで補助装置としてまず初めにカリエールモーションというものを装着して、上の奥歯を後ろに移動させてからワイヤーにて治療していくこととしました。カリエールモーションについては説明している投稿がありますのでそちらをご参照ください。
上顎の犬歯から奥歯を後ろに下げたことにより犬歯の前にスペースが出来ました。このスペース分前歯を後ろに下げていきます。この動きはワイヤーだけでは不可能な動きでインビザラインでは一本ずつ後ろに下げることは可能ですが一気に下げることは出来ません。これにより治療期間が大幅に短縮することが可能です。奥歯の噛み合わせが良くなったので続いてワイヤー治療に移行しました。
治療が完了いたしました。カリエールモーションがなければ1年半〜2年はかかると思いますが、カリエールモーション3ヶ月+ワイヤー8ヶ月の約1年で矯正治療を終えることが出来ました。患者様は中学生と若いため骨が柔らかい状態だったので、それも治療期間が短くなった要因と考えられます。ワイヤーをつける期間も少なくなり患者様はとても満足とおっしゃっていました。
コラム
レントゲンを撮影し、歯の傾き・骨の位置・軟組織などを治療前にしっかりと分析することがとても重要で、口元を大きく下げないといけない・ガタガタがかなり多くスペースが足らない患者様ではやはり歯を抜かないと問題は改善致しません。分析の結果、そこまで口元を下げなくて良い患者様やガタガタが少しの量の患者様は出来る限り非抜歯で治療をしていこうと考えております。
実は今回の患者様は歯を抜くか迷いました。なので歯を抜いて大きく口元を下げたシミュレーション写真と歯を抜かずに奥歯を後ろに下げて口元を少し下げたシミュレーション写真を比較してもらい患者様とご相談し非抜歯での治療を決定いたしました。いろいろな治療方針が考えられる場合、すべてメリット・デメリットを説明し、シミュレーションも見ていただいて患者様主体で治療方針を決定いたしますので、気になる方は是非矯正検査をお受けください。